「生活習慣による歯の破壊」の予防
歯を失ってしまう原因を、突き止める
歯を失ってしまう原因は、むし歯や歯周病だけではありません。
食いしばりによる「力」が歯に負担をかけて抜けてしまうことや、飲み物・食べ物が原因で歯が弱ってしまうこともあるのです。こういった原因に気付かずむし歯や歯周病のことだけを考えて治療をしていると、他の歯もどんどん抜けていってしまうことになります。
当院では、症状だけを確認してそれを抑える処置を行うのではなく、まずはなぜそうなったのかという原因究明を行った上で治療を進めていくようにしています。
こんな症状ありませんか?
- よく詰め物が外れる。
- むし歯ではないのに、歯がしみる。
- 歯の根元がくびれている。
- 顎の近くに偏頭痛が起きる。
- 朝起きるとだるい。
- 歯がグラグラする。
こんな症状に当てはまる方は、歯を強く噛み締めていたり食いしばっていたりするかも知れません。しかし実際に歯を噛み締めている時は自分では気付かないものです。
「自分はそんなことしていない」と思い込まず、まずはきちんと検査を受け、必要に応じて早めに治療を受けるようにしましょう。
原因と治療方法
食いしばり、噛み締め
パソコンを使っている時、スポーツをしている時、力仕事をしている時、介護をしている時などに、知らず知らずのうちに歯を食いしばっていることがあります。
パソコンの姿勢を正したり、ヨガのような体操で力を抜いたりすることで、歯を噛みしめることがなくなっていきます。
また、「唇は閉じた状態で歯は接触させず舌は上の歯に少し付ける」といった正しい状態を知る、マウスピースで歯を保護する、歯を食いしばらないよう自己暗示をかける、パソコンなどに「噛み締めない」と張り紙をするなどの対策も有効です。
過剰な咀嚼
食事中、必要以上に強い力で噛む癖のある方がいます。
豆腐などの柔らかいものを噛む時も歯をガツガツ当てたり、強くすり潰したりしている人は対策が必要です。こちらもまずは自分がそうなってしまっていることに気付くことが重要ですので、張り紙をしたり、注意深く自分の咀嚼を観察してみたりすることから始めましょう。
歯ぎしり
寝ている時は意識がないため、信じられない程の大きな力で歯に力を加えていることがあります。
歯ぎしりをしている人の中には、歯の噛み合わせる面がツルツルになってしまっている人もたくさんいらっしゃいます。寝ている時は自分をコントロールするのが難しいので、マウスガードの使用がお勧めです。また、自己暗示によって改善されることもあります。
酸性の飲み物
スポーツドリンク、野菜ジュース、栄養ドリンク、黒酢、ワイン、炭酸飲料などの酸性のものは歯を溶かしてしまう作用があります。これらを排除する必要はありませんが、少しずつ飲むといつもお口の中が酸性の状態になってしまいますので、飲む時は一気に飲むようにしましょう。
またストローで歯につかないように飲むことや、食べ物を一緒に摂取することで唾液の分泌を促進することも有効です。