虫歯は、虫歯菌によって歯が削られてしまう病気で、「歯質が弱い」「細菌が繁殖している」「糖がある」という3つの要素が揃った時に発生します。

初期段階ではほとんど痛みはなく、治療も歯を削らずに済むことが多いのですが、進行していくに従って歯に穴が開いていき、歯を削る必要性が生じてしまいます。
歯は一度削るとどんどん弱くなっていってしまうため、できれば削りたくないものです。なるべく早めに治療を受けて、削らずに治せるようにしましょう。

的確なむし歯治療を行うためには、むし歯の程度や種類をきちんと見極めることが必要です。

当院ではレントゲン写真だけでなく口腔内写真も使用して、むし歯の進行度を調べるようにしています。
ここでポイントとなるのは、予防で通っていらっしゃる患者さんはご来院される度に歯の写真を撮っていますので、それらと比べることで進行スピードや今後の見通しまで推測できるということです。表面だけむし歯になっていても、進行していなければ無理に削る必要はなく、予防と経過観察をしていくだけで済むこともあります。

また、小さなお子さんがむし歯になった時、歯磨きも食事コントロールもできていない状態で治療をしても、すぐに再発してしまいます。
そういった場合には、サホライドという薬剤を使ってまずはむし歯の進行を食い止め、その間にお口の中のケアができるようしっかりとトレーニングしていきます。

歯周病治療において重要なのは、プラークと呼ばれるネバネバした細菌の塊や、それが固くなった歯石をしっかりと取り除くことです。
これらがお口の中にあると、体内の免疫が反応して腫れたり膿ができたりします。

また、当院ではレーザーを歯茎に照射して腫れを抑える治療を行うこともあります。身体は皮膚に覆われていますが、お口の中は歯が抜けてしまうとすぐに骨まで不衛生な環境に晒されてしまいますので、歯周病は早めに治療して、歯が抜けてしまうようなことがないようにしましょう。

なお、歯周病治療では歯をできるだけ残すことが大切ですが、グラグラになった歯を無理に残しておくと、その歯を支えている骨がどんどん下がっていき、結局はその歯だけでなく両隣の歯も一緒に失ってしまうことがあります。
そうなってしまうと、入れ歯やインプラントといった次の治療も上手く行うことができませんので、場合によっては無理に歯を残すのではなく、早めに「次の一手」を取ることが重要になります。

タバコは歯周病を悪化させる一つの大きなリスクで、それ自体が良くないのはもちろん、血管が収縮するため歯茎が腫れず、気付かないまま進行していってしまう可能性が高くなります。

20年間タバコを吸ってきた人も、止めれば20年後には元の健康な状態に戻ると言われています。

禁煙は現状維持ではなく、これから改善していくスタートになるのです。タバコを止めるのに「遅すぎる」ということはありません。